○何か義理チョコしか貰えなさそうなあらし君に!
あーそうそう、そういえばすっごく目立たない男子がいるのよねー。
あらし君っていうんだけど、本当地味って言うかジジ臭いっていうか!
別に普通の人なんだけど普通過ぎるのよねー!そのせいでもてないのよねー!
チョコは貰うけど絶対本命は貰わない貰えないって人なのよ!これが!
可哀想だから私がチョコレートあげちゃおっかな!あ、ちょうどそこにいたわ!
「あらしくーん!」
「あっ無闇に喋り口調が痛い土留さん、何?」
一言多いのがたまにキズ☆ってあれ?あらし君手に何か持ってる?
そっそれはななな何と!大量のチロルチョコじゃない!
「ちょっとどーしたのそれー!無駄にチロルチョコ持って!」
「これは……貰った」
「貰ったの?!」
「『はい義理チョコだよ☆』とか良い笑顔で何人かの人に貰ってね……」
遠い目のあらし君。これは予想以上に可哀想だわ!
だってだって、チロルチョコっていったら、これ以上もこれ以下も無い義理チョコじゃない!
しかもそのうえわざわざ義理チョコだって言われて手渡しだなんてむごいわ!
トドメ指されたも同然じゃない!あーん何だかとっても可哀想!
「心の声が聞こえてるよ土留さん……ちっ畜生ー!」
いきなりあらし君が壁に拳を打ちつけ始めたけど、その背中も哀愁漂ってるわ!
何か慰めてあげたいけどー、どうすればいいのー?
○あそーだ、私が本命チョコ渡せばいいんじゃない?!
○私のチョコを弥生先輩のものだって渡したらどうかなー?
○思い切って私ごとあげちゃいますか!