今日は、チョコを食べながら空を眺める事が出来る。
しばらくそのまま手すりに座っていると、友人がやってきた。
「…ゲッ、死神…」
「やあ友人」
ものすごく嫌そうな顔になる友人に、死神は爽やかに話しかける。もう慣れたものだ。
「今日は1人かい?」
「あいつは先に帰ったよ。俺が日直だったんだ」
嫌そうな顔ではあるが、さっさと通り過ぎる事無く死神と会話する友人。これも慣れだろうか。
友人は、死神が持つ小さな包みを発見した。
「…何だそれ?」
「それがな、さっき見知らぬ娘がいきなり渡してきたんだ」
「まさか…チョコレートか?」
「おお、何で分かった?」
とたんにもっと嫌そうな顔になった友人に、死神は今度こそ本当に首をかしげた。
「…こいつまで貰えたのか…くそっ!世の中間違ってる…」
「?何だ?」
「大体知らない娘って知らない奴から貰えるのが分からない…!やっぱりこういうのは顔が命なのか…」
「顔?…これは何かの儀式なのか?」
「知るか!自分で考えろ!」
勝手に怒ってずんずんいってしまった友人の後姿を、死神はチョコをモグモグ食べながら見送った。
「…一体何が気に入らなかったんだろうな」
「ニャーン」
死神は、包みに入っていたチョコを半分ほど食べ終わった所で手すりから降りた。
○そろそろ夕飯時だから帰ろうかな