○水が好きだからって屋上の貯水タンクにいるわけないわよ、ね?



ウミ様は有名な水好きーなお方なんだけど……。

まさか、屋上の貯水タンクにいるわけないわよねーっ!まさかねーっ!

でもでもっ、他に思い当たらないから一応行ってみよーっと!


じゃん!という事で屋上にやってきてみましたっ!

あーんもう日が沈みかかってるーっ!早くウミ様見つけないと夜になっちゃうわ!


「ウミ様ーっ!一体どこにいらっしゃるのーっ!」

「ん?俺を呼んだか?」

「ええ??ってキャー!本当にいちゃったー!」


ウミ様ってば屋上の貯水タンクにへばりついてたのっ!キャー何してらっしゃるのー?!


「どどどどーしてそんな所でへばりついてるんですかー??」

「いや……屋上ってあんまり人も来ないし、静かで落ち着くんだ」

「そっそうなんですか……☆」


私は貯水タンクにへばりついてる理由を聞きたかったんだけど……ウミ様なら許しちゃうわっ♪

きっと水が好き過ぎてへばりついちゃうのねっ!ウミ様ったら一途〜☆


「1人の所邪魔してごめんなさーい!」

「ああ、いや、いいんだ、そろそろ帰ろうかと思ってたし」


するとウミ様は、貯水タンクの上から夕日を眺めて私に手招きしてきたのっ!な、なになに〜??


「ここからだと夕日が綺麗に見えるんだ。登ってみるか?」


えーっ☆それってそれって……ウミ様と並んで座れるってことー?!キャー恥ずかしいーっ☆

でもでもせっかくのチャンスだしいー……えーい登っちゃえ!


「登っていいんですかー☆」

「ああ、せっかくだし」

「キャーっ!今いきまーす!」


貯水タンクによじ登って(途中でウミ様が引っ張りあげてくれたのっ!手、もう洗わないわ……!)

ウミ様と並んで腰掛けちゃった!夢みた〜い♪

夕日も綺麗だけど……ウミ様の横顔も美しすぎてまともに見てらんないわー!

あっ!これって、チョコ渡すチャンスじゃないっ!いけいけ熊子ー!


「ウッウミ様☆ウミ様にお渡ししたいものがあるんですけどっ!」

「えっ渡したいもの?」

「こっこれっこのチョコ!受け取ってくださーい!」


キャー!とうとう渡しちゃったー!熊子特製手作りチョコデラックスー!

そしたらそしたら!ウミ様は、チョコを嬉しそうに受け取ってくれたのーっ!


「これわざわざここまで届けにきてくれたのか?ありがとう」


私のハートを狙い撃ち☆その笑顔にノックアウトしちゃったわーっ!

ウミ様ったら女の子キラー♪もうライバルがいくらいたって構わないわよっ!

私はウミ様一筋で突っ走っていってみせるわー!


「そろそろ帰るか」

「ああああのっ一緒に帰ってもいいですかー??」

「いいぞ」


うふふっ♪今日は素敵なバレンタインになっちゃった☆




   HAPPY END




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