○他には……ポケットに入ってた飴ぐらいしか無いわっ!



チョコが駄目なら他のもの渡しちゃお!って、思ったんだけど…。

えーん!何も持ってないーっ!熊子のバカバカっ☆

ポケットにレモン味の飴しか入ってないしー!もっと他のもの持ってればよかったわ!

でもここまで来て何もあげないってのはひどいわよねえ…。

仕方ないから、この飴あげてみようかなっ!


「ごめんねクロ君っ!私チョコ以外じゃあこんなものしか持ってないのーっ!」

「おっ、レモン飴かー!オレこれなら食えるぞ!」


思い切って飴を差し出したら、クロ君は嬉しそうに飴を食べてくれたの!

でもでも、あれってとっても安い飴で、しかも1個っきりよ!

クロ君よく食べるし、あれじゃあ全然足りないわよね…!


「んーうめえ!ちょっと酸っぱいけどうめえ!」

「でもお……それじゃあ足りないでしょ?」

「ああー確かに足りねえかもなー」


むむっと考え込んだクロ君は、次の瞬間私に笑いかけてくれたの!


「じゃあ熊子、お前昼飯一緒に食おうぜ!」

「えーっ☆お昼ごはん??」

「おう!学食結構うまいんだ、そこで何かおごってくれよ、な!」


クロ君ってば、もしかして私に気を使ってくれてるのかも……☆

クロ君いつも友達とお昼ご飯食べてるのに、私を誘ってくれるなんて!

キャーっ!なんて優しいのーっ!


「でもいいの?お友達は?」

「今日はせっかくのバレンタインだからいいんだよ!あ、金が無いか?」

「ううん、あるわ!」


うふふっ♪せっかくクロ君がこう言ってくれてるんだから、一緒に食べちゃおっかな☆

今日だけは私がクロ君(のお昼時間)を独り占めって事ねー!何だか楽しみっ!


「えへへーなーんでも食べていいわよーっ☆」

「おっマジで?オレすげえ食うから覚悟しとけよ!」

「私も食べちゃうからいいのっ♪」


結局チョコは渡せなかったけど、今幸せだからこれでいいわっ♪




   HAPPY? END




他の奴もおとす